商工会議所とNPOがコーディネートする研修に行ってきました。 今回はアイスクリームにかける醤油で話題になった岐阜の「山川醤油」さん。
蔵の見学からスタート。 蔵の中は豆の発酵香が漂います。 アイスクリームとは無縁の古い建物には伝統的なたまり醤油の樽が並んでいます。
たまり醤油は蒸した大豆と麹と塩水を仕込んで2年熟成させて味噌のようなもの(いや味噌と一緒)を作り 絞って出来上がる。 最後の一滴までゆっくりと圧搾し、最後のカスは家畜の飼料として転用されるそうです。 山川さんの所は豆に脱脂加工大豆で遺伝子組み換えでないものを使用してはります。 この脱脂加工の大豆を使うことでエコ循環型の醤油作りが可能になるそうで、 大豆油を含んだものから醤油を作ると、発酵中樽の上に浮いた脂が酸化して醤油の品質を落とすそうです。
さらに、先に大豆油を食用で絞ったらそれはサラダ油や天ぷら油に使えますが 醤油の製造過程ででた大豆油は食用にできず、 産業廃棄物として石油使ってゴミとして燃やさなければなりません。
伝統的に丸大豆で作ることが必ずしも環境のためになるとは限らないのが意外でした。
2年熟成のたまり醤油は市場での流通は非常にマイナーで 日本料理の現場でも全体で1割にも満たない消費量。 全国的にも伝統的な醤油蔵は生産効率の悪さから廃業に追い込まれています。
山川社長も以前は、伝統的なもの本物は生き残ると信じてプライドをもってやっておられましたが 知人の言葉をきっかけに、生き残れないところで伝統文化だと叫んでも意味がないと変わったそうです。 それから 山川社長は新たな醤油の研究と経営をはじめられ、今日に至っておられます。
「アイスクリームにかける醤油」 確かにバニラにかけるとみたらし団子のように甘さと塩味と香りがマッチしておいしい。 他にもチョコ醤油あられや卵かけ専用醤油、焼きチーズ専用醤油など商品のライナップは豊富。
マスコミ各社に取り上げられ、取材本数140本を超えた新商品。 それでも 全売り上げの2割にも満たない新商品の売り上げ。 でも、もともとのたまり醤油の売り上げが徐々に増えているそうです。
「最後に本物が残る」
その言葉は本物だけを作っているだけではだめだという意味も含まれているようです。
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テーマ:日本料理・寿し・割烹料理 - ジャンル:グルメ
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